12月の園の行事に毎年「もちつき」があります。便利な時代になっている現在では、餅は簡単に作れる機会で作り、杵や臼を使った餅つきは、なかなか見ることが少なくなってきました。だからこそ、園では昔からの、伝統である杵や臼を使ってもちつきを継続していくことで子ども達にもちつきの楽しさを伝えられると思います。
ここでは、もちつきがどうして行われているのか、子どもに分かるようにまとめてみました。
園での、もちつき行事の取り組みの参考になると幸いです。
目次
もちつきの由来は

何で、もちつきは12月しかしないの?

園では、12月しかしませんが、ハレの日といって特別なお祝いの日には、餅をついてお祝いしていたのですよ。
何かの、お祝いの時には餅が昔から近い存在にあった日本では、米から作られる餅に深い意味があったのです。
日本人は農耕民族
昔の人は、古くから田んぼで稲を育てて、お米を作って生活をしてきました。
お米は、人々の生命力を強める神聖な食べ物であり、とても重要な食べ物だったのです。そのお米を使って、何度も杵でつく餅は、特に強い力を持つと知られ、特別なお祝いの時には、欠かせない存在となり餅でお祝いしていたとのことです。
日本のお祝い餅
日本では昔から、節目となるお祝いやお祭りなどの時には、お餅をついて食べてきました。
ここでは、節目の時に食べる餅について紹介します。
どんな時? | どんなもち? | 餅の由来 |
正月 | 鏡餅 | 年神様へのお供え物 |
三つ目ぼた餅 | 小豆が入った餅 | 産後の母親が、産後の肥立ちをよくし、母乳がよく出るようにと。 |
お食い初め (赤ちゃん誕生100日) |
お祝い餅 | 誕生を祝い、子供が一生食べ物に困らないことを願い、食べる仕草を見せる。 |
桃の節句(3月3日) | 菱餅 | 女の子の健やかな成長と、厄除け、子孫繁栄の願いが込められている。 |
端午の節句(5月5日) | 柏餅、粽 | 男の子の健やかな成長と、厄除けの願いが込められている。 |
1歳の誕生日 | 1升餅 | 子供のこれからの人生に、一升=一生(いっしょう)をかけています。 |
七五三 | お祝い餅 | 健やかな成長の願いが込められている。 |
卒園、卒業 | 紅白まんじゅう | 組織が、これからの活躍を願い本人へ渡される。 |
餅つきは一人では出来ません。みんなで力を合わせて作ることで、喜びを分かち合い、お祝いする気持ちを高めることができる意味も込められています。
新しい正月を迎えるための、もちつきは最も大事な行事とされ今でも、年末に鏡餅を飾り、正月を迎えてお雑煮の中に入れたり、どんどやで餅を焼いて食べたりしています。
年末のもちつき
年末の餅つきは、鏡餅を翌年の年神様にお供えして神様と一緒に食べることで、「新しい年が幸せでありますように」とのお祈りするために用意するのです。
1年を見持ってくれる神様へのお供え物なので、もちつきはみんなで力を合わせて行う、大事な行事なのです。
お正月の餅の意味は?
日本は昔から、農耕民族でした。正月の餅には、獲れたての米で作った餅には神の力が宿っており、生命力が与えられると伝えられていました。
年神様へのお供え物と同じ餅を食べることで、力を分けて頂くとの意味も込められており、餅を食べることは縁起のいいことと言われています。
また、昔は米で作られていた餅は、神様の力が宿っているとの事で、お年玉ではなく餅を配っていたそうです。
子ども達に伝える言い方
子ども達に伝える時は、子どもの様子を見ながらゆっくりと説明します。
もうすぐ、今年も終わりますね。新しい年を迎えると、
次は何年になるかな?
そうです。〇〇年になるよね。
そうすると、神様も新しい神様に変わることになるの。新しい神様を迎える時に、たくさんの力が入ってるお米で作られた餅をお供えもとして置いておくと、神様がみんなにも力を分けてくれるんだよ。だから、お掃除をしていまの神様に
「1年間ありがとうございました」
とお礼を言って、新しい神様を迎えるために、みんなで力を合わせて餅をついて、鏡餅を飾って知らせるんだよ。
もちつきに関するオススメ絵本
もちつきの説明だけでは、上手く伝わらなかったりもしますが、絵本や紙芝居などから餅つきの楽しさを伝えることもオススメです。
*十二支のおもちつき
本体価格 1200円 + 税
- 作: すとう あさえ
- 絵: 早川 純子
- 出版: 童心社
日本昔話のようなお話で、十二支の動物たちが、お爺さんとお婆さんのために餅つきをしてくれる、子ども達にも分かりやすい心温まる絵本です。
*おもちのかみさま
本体価格 1300円 + 税
- 作: かとう まふみ
- 出版: 佼成出版社
ユーモアあふれる絵が描かれており、食べられないほど固いおもちが、修行をする展開になったりと面白い絵本です。
*もちつきぺったん
本体価格 1300円 + 税
- 作: きむら ゆういち
- 絵: いもと ようこ
- 出版: 教育画劇
小さな子どもが楽しんで見れるもちつき。一緒になって、ぺったんぺったんと楽しそうな仕草が見られます。正月のイラストも描かれており、もちつき季節にぴったりの絵本です。
まとめ
今は、杵や臼を使ってのもちつきの光景はあまり見られなくなりましたが、餅は昔から日本では欠かせない、お祝いの食べ物でありました。
伝統行事を子ども達に伝えていくためにも、園全体で協力し、職員と子どもだけでは出来ませんので、地域の方のサポートを借りながら、みんなで新年の準備を迎えることができるといいです。
もちつきの中で、協調性・好奇心・想像力などが育くまれ、子どもたちにとって楽しいもちつきとなることを願います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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