命を守る避難訓練

生きる力

日本では、9月が一番災害が多いと言われていましたがここ数年、その時期は関係なく、地震や豪雨などの天災がいつの季節にも起こっています。
2020年7月4日、熊本県南を梅雨前線による豪雨で甚大な被害をもたらしました。

ここでは、「もしも起きたら」と常に感じるようにし、災害にあった時の対処方法を日頃から知っておけるために、子どもに分かりやすい避難の仕方や避難方法をまとめてみました。

目次

避難訓練に大切なこと

日中は、保育を必要とする子どもが園で過ごしています。
その時間帯の台風接近は、前もって対処を図ることが出来ますが、火災・地震・集中豪雨などは誰もが予想することは出来ず、突然の発生となり保育士は子ども達の命を守り、安全な場所へと避難させる使命を果たさなくてはなりません。
いつ起こるか分からない災害に、冷静な判断で対応できるよに日頃から災害を想定とした、避難訓練が必要となってくるのです。

目的

<子ども>
実際に災害あった時の場合のために、子ども達に安全な対処の方法を身に付け、保育士の話を聞いて避難できるようにするため。

<保育士>
突然の災害にでも、冷静に判断し子ども達に正しい支持を出しながら、安全な場所へと移動できるようにするため。

<保護者>
災害が起こった時、冷静に子ども達を安全な場所へと移動させることを伝え、事前に防災マップを作り、保護者との連携を図っておく。

避難訓練の計画を立てる

避難訓練を行うに当たって、必ず避難訓練の計画が不可欠です。
「火災、地震、水害、不審者」
毎月、何の訓練を行うのかを明確にすること。
それらを、繰り返し行うこと。

その時に重要なことは

責任者となる職員と担当する職員を決めておく」

責任者は、園長先生などが当てはまると思います。

担当の職員は、子どもに説明するマニュアルは同じ内容がいいと思います。
人によって、言葉を毎回変えていくことは子どもの脳に「インプット」していきません。つまり「アウトプット」も難しくなりますので、各訓練によってどのような事を伝えていくのかを前もって、園で話しあいまとめることが重要です。

<災害時の基本対応>

避難訓練 どのようなことをする?
火災避難
  • 警報音を鳴らす。
  • 子どもは、保育士の所へ来るように促し、小さい子どもは集める。
  • ガスの元栓消したり、冷暖房消し、コード類も外す。
  • 避難、口を防いで身体を丸めて避難する。
  • 抱っこひもやベビーカーで避難する。
  • 携帯を持って避難する。
地震避難
  • 机の下に隠れるか、何もない場所へ集まる。
  • 揺れが収まったら、足元や物に気を付けて靴をその場で履いて避難する。
  • 携帯を持って避難する。
水害避難
  • 子どもを高い場所へ避難させる。(2Fなど)
  • 水増しが起きている場所へは必ず行かないように指示をする。
  • おんぶ紐などを活用して避難する。
  • 携帯を持って避難する。
不審者
  • 不審者を発見したら、窓を全部閉めて鍵をかける。
  • クラスで連携をとり、警察へ通報する。

上記は、あくまでも例えばの説明です。各園において、どのように対処していくべきなのかはマニュアルをしっかり作り、一人一人が責任を持って取り組む事が大切です。

<災害時、子どもへの説明>

避難訓練の内容 どのような事を伝える?
火災 警報音が鳴ったら、すぐに保育士のところへ来ること。ハンカチで口を塞ぐごと。裸足のまま、靴を持って避難すること。後ろには戻らないこと。
地震 揺れたらすぐに、机の下や何もな場所へ行き頭を抱えてダンゴムシ状態になること。揺れが収まったら、落ちて足元を見ながら靴をその場で履いて避難場所へ行くこと。
水害 保育士の話を聞いて、2Fへ移動する事。水増しの側に行かないこと。
不審者 不審者を発見したら、すぐに先生に伝えること。

上記の内容は、簡単に子どもに説明する場合の例えです。各園において、どのように伝えていくのかはマニュアルをしっかり作り、一人一人が責任を持って取り組む事が大切です。

こどもに伝える避難の「約束」

「避難の約束  おかしも」

お ・・・ 押さない (前の人を絶対に押しません)
か ・・・ 駆けない (慌てて避難して転んでしまう)
し ・・・ 喋らない (先生の声が聞こえなくなるので静かに避難します)
も ・・・ 戻らない (危ない場所にもどらない)

子ども達に、どのような危険があるのかを簡単に説明している言葉です。
子ども達も1度聞くと覚えやすい言葉。この言葉を、しっかり何度も口にすることで、避難する時の重要さを感じることが出来ます。

防災絵本と紙芝居

子どもに分かりやすく説明しようとしても、一方的に話すだけになりかねなく、伝わりにくく難しい時があります。子どもは、実際に目で見て耳で聞くことで物事を把握することが出来ます。
ここでは、避難訓練の絵本を紹介します。

避難訓練に役に立つ絵本や紙芝居

 

避難する時の持ち物リスト

いつ災害が起こるかわかりません。誰も予想することはできないのです。だからこそ、園においては、想定して避難訓練が必要となってくるのです。

すぐに持ち運べる状態にしておくリスト>

*必須 すぐに持ち運べる場所に置いておく*
  • 児童名簿(普段使用する物をコピーしておく)
  • 行政などの連絡先
  • 筆記用具(ペン10本 メモ帳 付箋など)
  • バザードマップ
  • 懐中電灯(予備電池)
  • 救急箱
  • 非常食(賞味期限を確認し入れておく)
  • 飲用水
  • ブルーシート
  • ティッシュやウェットティッシュ
  • ビニール袋
  • タオル10枚以上
  • 目印になる旗
  • 拡声器や笛

 

<職員が避難する時に持つ最低限の持ち物リスト>

*必須 すぐに取り出せる場所へ置いておく*
  • 防災頭巾や防災靴
  • 携帯(仕事中携帯はNGだが、災害時はかなり重要)
  • 抱っこひもやベビーカー

乳幼児などのおむつなども重要だとは思いますが、避難する時はまずが大切です。物を持ちすぎて避難が遅れてはどうにもなりません。なので、ここでは日頃の避難訓練から最低限の物だけをしっかり持って避難できるようにしておくことをすすめます。

バザードマップや防災マップを活用しよう

今や、バザードマップは各自治体によって作成されています。
各自治体で、バザードマップが作成されていますので、まだ確認されていない園は確認をされてみてくださいね。

ハザードマップポータルサイト (各自治体防災情報ホームページより)

防災マップは、作成する園が多くなってきていると思います。このマップを、保護者の方にも共有し、しっかりと避難場所を伝えておくことが大切です。もちろん、職員同士の連携は欠かせません。毎回、防災マップを確認されてから避難訓練を行うと災害が起きた時、冷静に判断できると思います。

自分の命を守る行動を!

近年、毎年のように災害にあっています。人間があらがえない自然災害。これまで、多くの命が犠牲となっています。避難訓練は、訓練するためだけの役目ではありません。幼い子どもにも、命の大切さをしっかり伝え、命を守る行動を自分自身で感じられるように日々繰り返しながら何度も伝えていくことが大切です。

最後まで読んでいただき ありがとうございました。

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